普遍の理念と価値観を受け継ぎながら、
変革への新たな一歩を踏み出しました。

代表取締役社長 春田 善和

TOP MESSAGE

ものづくり企業への貢献を貫く

1949年の創業以来、日本のものづくり企業を支え続けてきた冨士ダイスは、ものづくりに必須の金型や工具などの「超硬耐摩耗工具」でシェア35%を誇るトップメーカーです。冨士ダイスの製品はものづくり企業の製品に命を吹き込む存在であることから、私たちはこれを「生命工具」と呼んでいます。4分の3世紀という長きにわたって日本の製造業を支えてきたことへの矜持が、この言葉には込められています。
冨士ダイスがこれほど長い期間、安定的に事業を展開できた大きな理由は、「超硬耐摩耗工具」に特化し、専業メーカーとして一筋に歩み続けてきたことにあります。「粉末冶金技術」「超精密加工技術」という技術に磨きをかけることで他社と差別化。同時に幅広い業種のお客様に寄り添いながら、ニーズにお応えしてきました。
冨士ダイスの製品の供給先はインフラ設備や自動車などの輸送用機器、コンピュータ、医療機器、家電など広範囲にわたっており、例えばドリンクの缶やスマホのカメラなども、製造の際には冨士ダイスの金型が使われています。BtoB企業ですので皆さんが冨士ダイスの存在を意識することはほとんどないでしょうが、実は生活のとても身近なシーンで皆さんのお役に立っている企業でもあるのです。
「超硬耐摩耗工具」というニッチな分野に特化し、長い間変わることなく、愚直かつ誠実に一直線に歩んできた冨士ダイス。一度も赤字を出さずに黒字経営を続けてきたことも、創業以来現在変わっていません。

新マーケット、新事業の創造へ

一方、大きく変わりつつある面もあります。1つが新たなマーケットの開拓です。
ITによるものづくりのソフト化は、日本のものづくり企業のあり方を大きく変えようとしています。労働人口の減少もそれに拍車をかけるでしょう。それに対して海外、特に東南アジアではものづくり産業は今後さらに盛り上がっていき、それを支える冨士ダイスの「超硬耐摩耗工具」へのニーズも高まっていくと考えられます。そこで冨士ダイスとしては今まで以上に海外進出に力を入れていく方針です。もちろんこれまでも海外展開には取り組んできましたが、あくまで日系企業の海外進出をサポートする形が主でした。今後は東南アジアを中心に事業を展開している欧米企業のニーズをとらえ、マーケットを拡大していきたいと考えています。
もう1つが、新事業です。
1949年の創業以来、「超硬耐摩耗工具」一筋に歴史を刻んできた冨士ダイスですが、事業の領域を広げるべく、新たな事業の立ち上げにチャレンジしていく考えです。現在はそのための種まきの時期であって具体的な方向性をお話しできる段階にはありませんが、冨士ダイスの持ち味である愚直さや誠実さを大切に新たなビジネスの創造に挑んでいきます。
海外でのマーケットの開拓も、新事業の立ち上げも、これから本格的なスタートとなるため、今後入社される若い皆さんにその推進役を託したいと考えています。歴史あるものづくり企業でありながら若手が新たな道を切り拓いていける、そんなチャンスにあふれているのも冨士ダイスの大きな魅力です。

“良き日本企業らしさ”を大切にしたい

冨士ダイスが創業以来変わらずに受け継いできたものが「企業理念」です。
その「事業を通じて広く社会に貢献し、幸せな人を育てる」との一節は、私自身とても大切にしてきたことです。私は新卒で冨士ダイスに入社以来、“楽しく面白く”をモットーに仕事に取り組んできました。1日の3分の1以上を過ごすのが会社ですから、会社にいる時間を楽しめることが人生の幸せにつながると考えて過ごしてきたのです。これは今後も変わらず、「夢・挑戦」「感謝」「自立」「明るく前向き」というキーワードで幸せを実現する、そんな集団でありたいと思っています。
もう一つの「人間尊重、人間中心の経営」という一節も引き続き大切にしていきたいと考えています。冨士ダイスは常に相手をリスペクトし、時に「ブラボー!」と褒め称え、感謝し合えるカルチャーの会社です。いい意味でウェットで、居心地がよく、“良き日本企業らしさ”を備えています。私がこれまで冨士ダイスで働いてこられたのも、この居心地のよさが一番の理由だったのは間違いありません。
このように冨士ダイスは、創業以来受け継いできた魅力を大切にしつつ、次の節目である創業100年に向けて新たな挑戦を進めていこうとしています。これから入社される皆さんも、ぜひ私たちの仲間として一歩を踏み出していただけたら嬉しく思います。